ヒスタミン中毒とは? だしパックメーカー「聞いたことがない」

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ヒスタミン中毒とは? だしパックメーカー「聞いたことがない」

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ヒスタミン中毒というのは、食中毒の一種。今回のだしパックで給食のきつねうどんに含まれていたのはヒスタミンという物質だったことが判明しています。

ヒスタミン中毒の症状はどのようなものなのか、本当にだしパックでヒスタミン中毒が起こるのか、担当者とだしメーカーの説明をお知らせします。

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だしパックで食中毒

今回の「だしパックでの食中毒」、給食で出されたきつねうどんを食べた子供たちが、具合が悪くなって、ヒスタミンの中毒が原因とされたというものです。

新聞が報じた「だしパック」食中毒の記事

報道されたニュース内容は

東京都は16日、墨田区内の保育園で給食を食べた1~6歳の園児28人に、一時的に腕や顔に発疹などの症状が出たと発表した。都によると、墨田区保健所は、きつねうどんのスープから検出された化学物質「ヒスタミン」が原因の食中毒と断定。給食の調理業者が、ヒスタミンが入っていた市販のだしパックをメーカーによって定められた調理法よりも長く煮て、抽出された可能性があるとみている。 https://www.sankei.com/affairs/news/201116/afr2011160029-n1.html

 

「だしパックで食中毒」への一般の反応

 

断定したのは墨田区保健所ということなので、間違いないと言いたいところですが、なぜかこれについては当初から疑問の声が上がっていました。

| 2日前
保育園の出汁バックの煮すぎが原因でなく、
出汁バックを生産しているメーカーの生産過程で不衛生な状況や、鮮度の悪い食材を使っていたことで、すでにヒスタミンが発生していたのでは…?どこのメーカーなのかを教えてほしい。出汁バックの煮すぎで食中毒なんて、ありえないもの。―ヤフーニュースコメント欄より

 

報道後に、担当元は、あらためて以下のように釈明しました。

「今までだしパックが原因で食中毒が起きたという事例はこちらで把握していません。(だしパックの煮すぎは)あくまで可能性の1つです」―東京都福祉保健局

「だしパックで食中毒」への専門家コメント

この報道の後、メーカー側では

「この会社ができて30年以上経ちますが、だしパックが原因でヒスタミンが抽出されたという話は聞いたことがない。長い間、給食用にもだしパックを提供していますが、食中毒は起こったことがない」

との声も上がりました。

 

ヒスタミン中毒とは

そもそも今回起きたのは、普通に言われるビブリオ菌やアニサキス、ノロウイルスなどで起きる食中毒とは全く違った、ヒスタミン中毒というものです。

ヒスタミンについては、箇条書きにまとめると

  • ヒスタミンによる食中毒はほとんどが魚介類による
  • イワシ、マグロ、カジキ、ブリ、アジ等ヒスチジンを多く含む赤身の魚やその加工品が原因
  • 症状は、顔面の紅潮、発疹、頭痛、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢等
  • ヒスタミンは熱で分解されにくく、加熱で菌は死滅したとしても取り除くことは困難
  • 外観の変化や悪臭を伴わないため、汚染を感知しての回避が困難

うーん、こうなると、何の匂いもしない、アジを食べてヒスタミン中毒になるということもあるのでしょうか。

新鮮ならそれなりにあんしんと思っていましたが、生魚についても心配ですね。

ただし今までに、生魚であっても、ヒスタミンによる多人数の食中毒というのはあまり聞かれない。だからこそ、今回その成否が議論になっているわけですね。

”だしパック”食中毒ケースの概要

今回の食中毒のケースは、早速さまざまな検証が行われたことが伝わっています。

ヒスタミンの量は5mg/100g未満

まず、給食の調理に使ったものと同じ、だしパックに検出されたヒスタミンの量は、5mg/100g未満というもの。

これがどの程度なのかというと、その量では、食中毒にはならないと、担当者がコメント。

これは、実際に墨田区の保健所で、検査に当たった方なのでしょうか。自ら「だしパックの5mg/100g未満という量では、原因としての断定には至らない」としています。

あくまで可能性?

では、なぜ、それなのに、だしパックなのかというと

今回の食中毒の原因食材は特定できていないが、「長く煮出した」という点が、調理過程の中での「通常とは違う条件」だと担当者は説明する。煮る時間についてメーカーは10分程度としていたが、保育園で提供された給食の調理では45分間煮ていたという。 担当者は、「だしパックでヒスタミン食中毒が起きた事例は、私が知る限りでは無いので、長く煮たことが影響するかは分からない。ただ、長く煮たというのが『通常とは異なる』という意味で、何らかの要因となった可能性も否定はできない」https://www.huffingtonpost.jp/news/

つまり、「長く煮たこと」が影響するかは、この担当者さんは「わからない」とのことです。

「だしパックが原因とは断定しない」

結局、東京都福祉保健局食品監視課担当は17日、取材に対して下のように回答

「通常食中毒の原因になる魚のメニューが、今回の給食にはありません。そこで、だしパックに魚が原材料で使われているので、原因の可能性の1つとしてあがりました。だしパックやだし汁が原因とは断定していません」

うーん、でも最初の報道で「だしパックが原因」と思うような内容があったのですが、これによって、だしパックのメーカー側は困ったのではないでしょうか。

「だしパック自体に問題なし」

すると、

「だしパック自体に問題はなかったと考えている」―担当者

という追加の情報が流されました。

いや、「問題がある」とは最初から言われてはいませんでした。

しかしそうなると逆に問題があったのは、だしパックの調理法という指摘になります。

そこで、「きっちり5分でないと食中毒が起こるかもしれない」となれば、忙しい中の家庭料理で、だしパックを安心して使える状況ではなくなってしまいます。

だしパック問題の結論は

結局、結論はというと、

だしパックを煮過ぎることでヒスタミンが抽出されるかどうかを検証する実験をするかどうかは検討中

ということだそうです。

誰も知らないことなので、推測で意見を述べることはできませんので、だしパックを長くに出した煮汁の水溶液にヒスタミンが増えるかどうかの実験が必要となります。

だしメーカーのコメント

だしのメーカーからすれば、「私たちからすればいい迷惑ですよ。勘弁してください」といいながら

「かつおや昆布などを配合して不織布に入れているのがだしパックで、原料はホテルや飲食店で使われているだしと同様のものです。結局だしパックというよりも、魚がどれだけヒスタミンを持っているかという問題になるのではないでしょうか」

ということで、たまたまヒスタミン濃度の高い魚があるということなのか。

そうなると、だしパックだけではなく、すべての魚がアブナイということにもなりかねません。

35分間放置の背景

事態をはっきりさせるのは、結局は実験をして、検証の結果を待つしかなさそうです。

私自身は、だしパックをたいへん愛用しているので、皆さんが安心して使えるように、専門家のコメントなり、検証を進めてほしいと思います。

 

茅乃舎は、野菜だしもおすすめ。これでポトフを煮ると絶品です。

一度使うとこんなにもおいしい、野菜のうまみがわかりますよ。




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