こんにちは。なな子です。ステップファミリーの皆さまお元気ですか。
ステップファミリーならではの悩みは、再婚家庭の人ではないと相談しづらく、話してもよくわかってもらえないこともありますね。
日本には、まだまだステップファミリーに対する支援が少ないのですが、アメリカには日本以上に再婚も多く、多様化する家族形態に対応するべく「ステップファミリー支援組織」というのがあります。
その資料から子どものいる再婚家庭が幸せに暮らすにはどうしたらいいかを探していきたいと思います。
非現実的な思い込みに縛られないように
誰もが新しい結婚生活に対して、期待と不安を持っています。特に、双方が再婚同士の場合、子供がいてもいなくてもよく起こることなのですが、不安を回避したいがゆえに、過度の理想化が起こるようです。
期待を過剰に持ってしまうと、ステップファミリーとして想定できる問題に行き当たったとしても、過剰な期待の分だけ必要以上に失望してしまうことになってしまいます。
そのうちの一つは、親子が仲良しというものですが、継父母と子供はそもそも何のつながりもないのです。それを最初から実子並みにしようと思うのは、いささか非現実的過ぎます。
SAAはそのような先入観をステップファミリー神話と呼び、「間違った思い込み」であるとしています。その一つずつを考えてみます。
「ステップファミリー神話」間違った思い込み
1.一緒に暮らせば家族になれる
例えば学校のクラス替えでは、クラス替えをしてすぐに連帯感を持つわけではありませんね。まずは2、3人単位友人関係のグループができます。そして友人関係以外の係りや行事の共同作業などの、もう少し大きな単位の活動を通してさらにクラスとしての連帯感が生まれてきます。
これは家族も一緒だと思います。人と人とは急に仲良くなれるわけではありません。まずは、それぞれの関係、それらを一括した家族としての連帯感が生まれるのはその後になると思います。
2.子どもが皆両親の実子である家族と同じような親子関係を目指すべきだ
どうしても理想的にはそう思われているようですが、SAAでは、ステップファミリーは基本的な構造に違いがあるため、初婚家庭と同じようにすることには無理があるといいます。
異なる血縁関係を含めて、その家族にとってもっとも良い関係を目指す方がよいのです。
3.パートナーを愛していれば、その子どももすぐに愛することができる。子どもの方も、新しい親をすぐに親として受け入れることができる
ステップマザーと子どもの二者間のみで考えた場合は、もちろんそのように思わなくていいと思います。
しかし二者のみならず、もう一方の親の期待が入るとより複雑化しそうです。愛情というような自発的なものは、期待されて生まれるものではないのです。恋愛と同じです。
4.ステップファザー、ステップマザーは意地悪だ
よその人には何とでも言わせておけばいいのです。なにか言われたら「とってもかわいがっているんですよ」とにっこりして言えばよいのです。
5.親の離婚・再婚を経験した子どもは、問題を抱えている
これは子供に限ったことではありませんで、離婚や再婚で、親の方でも過敏になることももちろんあります。しかし、SAAのいう「問題」とは、もっと深刻なことで、例えば、非行とか著しい精神的な症状を指しているように思われます。
6.離れて暮らすもう一人の実親に会わせない方が、子どものためによい
離婚した配偶者にとってはともかく、子どもにとっては大切な親である、とSAAは解きます。
子どもにとって悪い影響がなければ、可能な限り連絡を取り合うのが望ましいとされています。
私自身の思うこと
同じ項目について、私自身の思うことを書いてみます。
1.一緒に暮らせば家族になれる
息子が大学を出て、次の転職までを一緒に暮らしたいと言ったのは、会ってから4年後のことでした。それまでは、大学のある都市に住んでいたので、帰省の時に会う程度でした。
最初の頃は、夫と3人で食卓を囲んでいても、子どもと私は無口になってしまい、全く会話が弾まなかったのを憶えています。
私の方は特に心境は変わらないつもりでしたが、息子の方はだんだん帰省の際に「ご飯が食べたいんだよ」と夫に伝えて帰ってくるようになりました。それから息子が一緒に住みたいというようになったのです。
一緒に住むと、息子のことも必然的に私がするようになりました。必要なものを買ってきてあげるとかクリーニングとかの小さなことですが、それまで夫だけが一人でしていたことを、二人でするようになったのです。
一緒に住まなければ距離は縮まらなかったと思います。息子がそう言ってくれたので、私たちは「家族」になれたのです。息子にはとても感謝しています。
2.子どもが皆両親の実子である家族と同じような親子関係を目指すべきだ
実子のいる人は必ずしもそうはならないと思うのですが、私自身に関して言えば、私には子どもがいないので、「子どもという立場の人ができた」ということだけで、ひじょうにうれしく思っています。
また、子どもの卒業だとか、就職だとか、子どもが居なければ経験できなかったことが経験できたということも、私自身にとってとても大きなことだったと思います。
実子のいない私からすると、実子かそうでないかは区別のしようがありませんが、ただ、子供がいないよりはいる方がずっといい。もし息子が結婚したら(結婚しなくてもかまいませんが)、私には望みようもなかった孫を連れて遊びに来てくれるかもしれません。
厳密には自分の孫ではありませんが、それを落として、孫との関りや、孫のいるとはこういう風なのだということを経験できる、それはとても貴重なことだと思うのです。
3.パートナーを愛していれば、その子どももすぐに愛することができる。子どもの方も、新しい親をすぐに親として受け入れることができる
息子の方にしてみれば、私を「親」だとは思っていないです。しかし、最近呼ぶときは、「なっちゃん」と呼んでくれることがあります。私自身が、私のことをそう言うからです。親しみを込めて、名前を呼んでくれるようになったのは最近です。日数にすれば、そこまで5年がかかっています。
息子は夫とはそれほど似ていません。時々似ているところを見出すこともあります。そうでなくても息子は「可愛い」です。
おててもあんよも折々見ていますが、ふっと、自分の子であったとしても、こんな風なんだろうなと思うくらいです。持ち物や洋服にしても、男の子の持ち物なので、ものめずらしいです。
息子は一人の人としても性質が良いと思っていますが、私が息子を愛する理由があるとすると、その半分くらいは、それはやはり夫の子どもだからということに尽きます。夫と息子が親子である限り、このつながりは保たれます。
うまく言えませんが、それは他人ではあり得ない関係です。ステップファミリーならではのつながりがここに凝縮されているとも思います。
それと、夫は大学生になった息子が私とここまで仲良くするとは、まったく予想をしていませんでした。「雄太があんな風にするとは思わなかった」ともいっていました。逆に夫があらかじめ連れ語に対する私の愛情を期待しなかったところは、楽で良いことだったとも思います。
4.ステップファザー、ステップマザーは意地悪だ
息子との関係は、かなり良い方だと思っていますが、それでも、不満を持ったことはないとは言えません。しかし、意地悪な気持ちになったことはないです。
なぜかはわかりませんが、これはとてもありがたいことだと思っています。
5.親の離婚・再婚を経験した子どもは、問題を抱えている
「問題」というレベルかどうかはともかく、親が不仲であったり、DVであったり、喧嘩の場面を目撃したりしている場合には、離婚を経験した子供は、何かしら影響を受けているとも思います。
再婚家庭なら誰もが最初は過敏になることもあるでしょう。「問題を抱えている」をどう取るかにもよりますが、親の方は必ず教育的な配慮と共に、サポートをする姿勢も必要です。
家庭というところは、最低限の手助けは必要であり、相手が子供ならなおさらです。そういうことに関わりたくないという人は、そもそも子どものいる再婚には向かないと思います。
6.離れて暮らすもう一人の実親に会わせない方が、子どものためによい
息子は本当のお母さんには会いたくないと言っているそうなのですが、私としては、子どもの木が向けば、母親とは通常の交流をするのが望ましいとは思っています。
夫の前妻は問題のあった人らしく、夫は家に怒鳴り込まれるのを心配しているようですが、万が一そういうことがあったとしても、息子の面倒を見ているのは夫と私です。
私だけに関して言えば、人様の子どもと暮らしているのであって、相手に文句を言われる筋合いはありません。両親の離婚後に、息子には難しい病気の既往歴があるので、とにかくそれを助けて、息子がどこまでも生きられるようにする、それ以外の望みはありません。実母はそれには携わっていないのです。
もし息子が実母と会って、私のことを聞かれたとしても、悪口に類するようなことは息子からは出てこないと思います。関係が悪かったことは一度もないからです。むしろ息子を殴った末に絶縁した実母と、息子のために仲良くしてほしいと思っています。
実母は息子を可愛いに違いありません。それはどんなに関係が良くても他人の私とは比べるべくもないのです。
肉親が断絶する悲しさや悔しさも、これまでたくさん見てきました。息子には、あるいは誰であれ、血の絆のマイナス面からは自由でいてほしいものです。
まとめ
SAAの「ステップファミリー神話」いかがでしたでしょうか。どうぞ一つの考え方の参考として、役立ててみてくださいね。